【リフォームトラブル】よくある事例と解決方法&予防・対処法を徹底解説

経年劣化による住宅リフォームは、欠かせないものです。
しかし近年では、リフォームトラブルを耳にすることも増え、不安を感じている人も多いでしょう。
そこで今回の記事では、よくあるリフォームトラブルの事例と解決方法、事前にできる予防策ともしも起きたときの対処法について解説します。
住宅トラブルの38.6%がリフォーム相談

引用元:住宅住まいるダイヤル「住宅相談統計年報2025PDF」
住宅住まいるダイヤル「住宅相談統計年報2025」の調査によると、2024年の住宅トラブルのうち、約39%がリフォーム相談なのがわかります。
これは、新築相談(37.9%)よりも多く、電話相談の中でもっとも多い結果となっています。
2015年からの推移を見てみると、新築相談がもっとも多く、次にリフォーム相談が続く形となっていましたが、2024年には上回っています。
大幅に増加傾向というわけではありませんが、およそ10年の推移から何らかのトラブルは発生する可能性があると考えていいでしょう。
次に、リフォーム相談の内訳について確認します。

引用元:住宅住まいるダイヤル「住宅相談統計年報2025PDF」
リフォーム相談(2024年)11,920件のうち、7,556件およそ63%が住宅のトラブルに関する相談なことがわかりました。
その中でも4,541件(60%)が実際に不具合が出てる状態で相談しているようです。
そのうちの3,314件が一戸建て住宅、1,120件が共同住宅(マンションやアパートなどの集合住宅)とのこと。
一戸建て住宅・共同住宅それぞれに、どのようなトラブルが寄せられているのか後述にて確認してみましょう。
一戸建て住宅のリフォームトラブルの内容

引用元:住宅住まいるダイヤル「住宅相談統計年報2025PDF」
まずは、電話相談で寄せられた「一戸建て住宅のリフォームトラブル」の内容について見ていきましょう。
もっとも多い相談内容は「はがれ」、次いで「雨漏り」「性能不足」が多かったようです。
「はがれ」の中でも多い相談内容に、外壁のはがれがあげられますが、外壁の塗膜が浮いたり、ヒビ割れたり、剥がれ落ちたりする現象のことです。
これは、塗膜が外壁を保護する機能が損なわれているサインであり、建物の耐久性低下や雨漏り、カビの発生などを引き起こす可能性があります。
屋根のはがれは、塗膜のはがれや棟板金が浮いたり飛んだりする現象のことです。
施工不良が原因で、腐食や雨漏りを引き起こす可能性があります。
また、「性能不足」は機能や性能が満たされていなかったことを指します。
工事の品質や不適合な材料、計画ミスなどさまざまな原因で発生しやすいです。
共同住宅のリフォームトラブルの内容

引用元:住宅住まいるダイヤル「住宅相談統計年報2025PDF」
次に共同住宅のリフォームトラブルについて見ていきましょう。
一戸建て住宅とは異なり、もっとも多いのが「変形」になっています。
変形とは、床・壁・開口部(ドアや窓)などの建材が、設計ミスや材料が低品質、施工不良などが原因で、本来あるべき形からゆがんだり、真っ直ぐでなくなったりするトラブルを指します。
もちろん見た目の不具合もありますが、建物の安全性や機能性にも影響を及ぼす可能性があり、危険な状態と言えるでしょう。
「はがれ」「性能不足」は、一戸建て住宅と大きく変わりません。
ただし、共同住宅の場合の「はがれ」は、室内になります。
床やクロス(壁紙)、塗料などのはがれが多く、施工不良が原因でしょう。
下地処理の不足、洗浄後の乾燥不足、不適合な塗料を使用したことが考えられます。
リフォームトラブル!よくある事例と解決方法

近年、リフォームの需要が増える一方で、仕上がりや契約についてのトラブル相談も増加傾向にあります。
業者とリフォーム依頼者の間で、うまく意思疎通ができていないことが大きな原因にあげられるでしょう。
ここでは、具体的なリフォームトラブルの事例と解決方法について解説します。
見積もりの内容が不明瞭(くれない)
トラブルの原因になりやすいのが、見積もりが不明瞭だったり、そもそもくれなかったりすることです。
リフォーム工事を片手間にしている業者や、専門用語で書かれている、細かな工事内容(配置や変更内容、費用など)が記されていないといった見積書を出されることがあります。
また、見積もりがない場合は、業者の言い値で支払うことになるので注意が必要です。
解決方法
見積書は必ず出してもらってください。
「出さない(出せない)」という業者には、依頼しないようにしましょう。
見積書を出してもらったら内容を確認し、細部まで業者に確認するようにします。
複数の業者から見積もりを取り、比較することも大切です。
リフォーム後に体調不良になった
リフォーム後に体調不良が続いた場合、シックハウス症候群の可能性があります。
「目がチカチカする」「頭痛・吐き気がする」といった症状も当てはまります。
シックハウス症候群の原因として考えられるのが、化学物質や換気不足、ダニ・カビ、ストレスです。
リフォーム後の家の気密性が上がったことで、空気の流れが悪くなり、繁殖・滞留により身体が反応しやすくなっているのかもしれません。
解決方法
まずは、シックハウス症候群の診察ができる病院を受診しましょう。
近隣にない場合は、地方自治体や保健センターに相談するのもいいです。
リフォーム業者または、第三者機関に診断結果と症状を報告し、すぐに原因追及と対策を取ってもらってください。
リフォーム後の修繕に対応してもらえない
リフォーム完成後に不具合が見つかり、修繕の連絡をしても業者が対応してくれない…なんてこともあります。
たとえば、床のはがれや変形などがリフォームトラブルに多く寄せられています。(※住宅住まいるダイヤル調べ)
リフォーム業者のミスで修繕箇所ができた場合、「契約不適合責任」により必ずリフォーム業者が対応しなければなりません。
それでも対応しない・断ってくるようであれば悪徳業者の可能性大です!
解決方法
大前提に、リフォーム業者には着工前に保証内容が明記された「保証書」を提出してもらってください。
契約適合範囲を確認するようにしましょう。
もし提出を拒むような業者なら契約を見送るのが安心です。
その上で、契約不適合責任を負わないようなら第三者機関や弁護士に相談するといいでしょう。
内容証明郵便で修繕の催促を行い、依頼した証拠を残すのも重要です。
見積もりの金額と請求書の金額が違う
工事中に何らかのトラブルや変更により当初の見積もりよりも請求金額が高くなるトラブルもよくあります。
たとえば、着工後に新たな依頼をして納得の上で工事が進み、結果的に高額になったパターンであればトラブルにはなりません。
しかし、予期せぬ追加工事や業者都合の仕様変更であれば話は別です。
言われるがまま支払うのではなく、まずは解決策を講じてみましょう。
解決方法
本来であれば、契約前に工事内容や追加費用の可能性、その金額まで業者としっかり話し合いができているのがいいです。
「諸経費」や「予期せぬ工事」まで確認しましょう。
工事後の場合は、見積書と契約書を見比べ、どこが違うのかをはっきりさせます。
工事内容まで詳細に把握しましょう。
契約書に追加費用の発生について取り決めが記されていないか確認し、業者に説明を求めます。
取り合ってもらえない、納得できないようでしたら第三者機関または弁護士に相談することも検討しなければなりません。
完成後の仕上がりとイメージが違う
内装や設備、使い勝手などイメージしていた仕上がりと違う出来なことも珍しくありません。
見本があるわけではないので、業者と依頼者の意思疎通ができていなかったことが大きな原因でしょう。
「広々」と伝えても、人によって基準が異なります。
またショールームのようなイメージでいると、自宅に置き換えたとき想定と違うかもしれません。
大きすぎたり小さすぎたり、明るすぎたり暗すぎたり、よくある失敗のケースです。
解決方法
イメージを伝えるときは、写真や画像などより具体的に相手に伝えるようにしましょう。
広々といっても「何帖は欲しい」「集まりが多いから大人10人はゆうに座れる広さは必要」など、相手も連想しやすくします。
イメージがズレないことが大切です!
また、立体図や3Dパースの提出をお願いするのもいいでしょう。
リフォームトラブルにならないための予防方法

リフォームトラブルが起きたときの解決策を事例とともに紹介しましたが、トラブルにならないための予防策を張ることが最も重要です。
事例以外のトラブルも起きる可能性は大いにあります。
以下、5つをポイントにリフォームを成功させましょう!
業者としっかり打ち合わせする
リフォームを成功させるには、施工する業者と住む依頼者のイメージが合致していることが大切です。
イメージが違うと、仕上がりが異なりますし、変更によって追加費用がかかるかもしれません。
トラブルを未然に防ぐために、まずは業者としっかり話し合い、イメージをすり合わせましょう。
求めるものに対して、費用面も合致しておくことが重要です!
「諸経費」や「予期せぬ工事」など、重要ポイントはすべて押さえてください。
打ち合わせの記録・書面を残す
リフォーム業者との打ち合わせは、口頭だけで済ませないようにしてください。
「言った言わない」のトラブルは解決できません。
些細なことでも記録を取り、双方の同意の上、事を進めましょう。
大切なことや決め事は、書面を残すこともお忘れなく!
工事施工〜完了検査に立ち会い
工事施工中から業者と一緒に立ち会い、契約内容通りに施工されたか、不具合や破損がないかを確認しましょう。
不具合が見つかった場合は、その場で指摘・話し合いを行い、修理を依頼する際は、「いつまでに」「誰が」「どのように」作業を行うか確認し、記録を残すことが大切です。
完了検査も必ず立ち会い、隅々まで確認して不具合がないことを納得してからサインしてください。
複数の業者から見積もりを取る
リフォーム業者を決める際は、必ず複数社から見積もりを取りましょう。
これは、費用比較したり、優良な業者を見極めたりするためです。
ただし、社数が多すぎても迷ってしまうかもしれないので、3社〜5社程度がおすすめです。
今回のリフォーム内容を得意とするリフォーム業者を選別します。
誰が見てもわかりやすい見積書を提出してくれるところは、安心できそうですね。
近隣住宅への配慮を徹底する
工事前には、必ず近隣住宅にご挨拶に行くようにしましょう。
トラブルが起きる先は、業者だけではありません。
近隣の方たちのクレームもトラブルに発展することがあります。
「何日から何日までリフォーム工事を実施するので、ご迷惑をおかけするかもしれません。」と菓子折りを持って事情を説明するといいでしょう。
工事の車を停める場所も迷惑にならないよう配慮してください。
リフォームトラブルが起こったときの対処方法

最後に、もしリフォームトラブルが起きたときの対処方法について解説します。
トラブルの詳細を記録する
トラブルが起こってしまうと感情的になりやすいですが、冷静に問題と向き合い、工事の不具合やトラブルの内容など、詳細を記録してください。
何が起きたのかを整理して記録することが大切です。
トラブルの日時や場所、名前、発言などを記録。
メールや写真、動画などの証拠を保管しておくのも有効です。
契約書・保証書を準備する
記録や証拠が揃っていても、契約書や保証書がなければ、交渉は難しくなります。
もし裁判になっても判決にも響き、時間も要するでしょう。
トラブルの早期解決を図るためにも、契約書・保証書の準備は必要不可欠です。
第三者相談窓口に相談する
業者との交渉が難しい場合は、専門機関に相談するといいです。
| 住宅住まいるダイヤル 03-3556-5147 | 契約前の見積もりから相談可能工事の可否判断や契約内容に関する相談もできる |
| 国民生活センター | リフォーム工事〜後のトラブル相談に適している |
| 住まいづくりナビセンター | リフォームの計画段階から適切な業者選定、費用の妥当性判断まで、幅広い相談に対応 |
| 住宅関連NPO(地方自治体) | 独自のサポート体制を持っている法律的知識以外の情報を得られるかも |
トラブルの内容や状況に応じて、最も適した機関を選択することで、効果的な解決が期待できます。
まとめ

近年、リフォームの需要が増える一方で、リフォームトラブルも増加傾向にあります。
概観すると、業者とリフォーム依頼者の間で、意思疎通ができていないことが原因でしょう。
今回の記事で紹介した事例はほんの一部であり、予期せぬトラブルが起きることもあります。
トラブルを予防する方法やトラブルが起きたときの対処方法を把握しておくと、もしものときも慌てずに対応できるでしょう。
パートナーとなる業者と二人三脚で、リフォームを成功させましょう!




