先進的窓リノベ事業2025とは|条件や補助金、申請方法について解説

「冬になると寒い、夏は暑い」「結露がひどくてカビが発生する」などといったお悩みを抱えている人は、窓のリノベーションを検討してみてはいかがでしょうか?
通称『窓リノベ』は、国が推奨しているリノベーションの一つであり、補助制度が準備されています。
先進的窓リノベ事業2025について詳しく解説します。
目次
先進的窓リノベ事業とは

「先進的窓リノベ事業」とは、既存住宅の窓・ドアを省エネ効果の高い断熱性能を持つ製品に改修する費用に対して、国が補助金を出す制度です。
この事業は、家庭部門のCO2排出量削減、エネルギー費用負担の軽減、住まいの快適性向上などを目的としています。
先進的窓リノベ事業はいつから始まった?
先進的窓リノベ事業は、2023年から始まりました。
2024年度の交付は2024年3月以降から、2025年度の交付は3月31日からスタートしています。
この事業は、3ヶ年計画で実施されており、補助金を利用した窓リフォームを検討されている場合は、早めの計画・申請を行いましょう。
なお、2026年は後継事業への移行が見込まれますが、まだ未発表のため情報更新を待ちましょう。
先進的窓リノベ事業2025と2024の違い
先進的窓リノベ事業2025と2024の違いは、内窓設置における一部補助金額の変更です。
他に大きな違いはなく、基本的な要件(補助上限額や補助率など)は概ね継承されています。
2025年度は補助単価が一部見直しされており、減額されています。
詳しくは以下の通りです。
| ①SSランク(最高性能)の一部が、2,000円〜6,000円程度の減額 ②Sランクの一部が、1,000円〜3,000円程度の減額 ③Aランク(最低基準性能)の一部が、2024年度の約半額の減少 |
先進的窓リノベの対象・条件・補助金について

先進的窓リノベを実施する際は、窓リノベ事業者と依頼者が工事請負契約を締結して工事を行うことが必須です。
窓リノベ事業者は、施工業者があらかじめ「住宅省エネ支援事業者」としての登録をする必要があります。
交付申請手続きや交付された補助金の還元については、施工業者が代行して行うため依頼者は、申請書類の作成や準備に協力しましょう。
また、依頼者(対象者)は窓のリフォームを行う住宅の所有者に限ります。
もしも登録していない業者に窓の工事をしてもらうと、補助金の対象にはなりません。
補助金
先進的窓リノベ事業2025の予算は1,350億円です。
一戸あたりの補助金利用額は5万円〜最大200万円(補助率50%)となっており、窓やドアのリフォームに関する費用の負担を軽減できます。
補助対象工事
先進的窓リノベの補助対象工事は、以下の通りです。
| ・ガラス交換 ・内窓設置 ・外窓交換(カバー工法) ・外窓交換(はつり工法) ・ドア交換(カバー工法) ・ドア交換(はつり工法) |
また、窓リノベ・ドア改修どちらにも対象製品を利用することが必要です。
対象製品は、先進的窓リノベ事業2025の事業局が性能などを調査した上で、性能証明書を発行した製品となります。
| 住宅の建て方 | 性能区分 |
| 戸建て住宅 | P(SS):Ud1.1 以下 |
| 低層集合住宅 (3階以下の建物) | S:Ud1.5 以下 |
| 中高層集合住宅 (4階以上の建物) | A:Ud1.9 以下 |
引用元:先進的窓リノベ2025事業
詳しい製品については、公式ホームページ「先進的窓リノベ2025事業」をご確認ください。
先進的窓リノベ事業の申請方法

先進的窓リノベの交付申請は、依頼者(対象者)が直接申請しません。
登録事業者が消費者に代わって申請手続きを行い、補助金受け取りまでを完了させます。
一般的な申請の流れは以下の通りです。
①工事請負契約の締結
消費者は、窓リノベ登録事業者に対象製品の見積もりを依頼し、工事内容や補助金に同意できれば工事請負契約の締結をします。
②工事の実施
登録事業者は、工事内容に沿った改修工事をはじめます。
補助金申請の際に、工事前と後の写真が必要になるので撮影します。
また、工事中は立ち会うことができるので工事内容と実際の工事に違いはないか、消費者も確認するようにしましょう。
少しでも気になる点があった場合は、すぐに施工業者に伝えるようにしてくださいね。
施工期間を伸ばさない、トラブル回避のためです。
③書類の準備
基本的に書類の準備は、登録事業者が行います。
消費者は本人確認証など必要なものを提出しましょう。
補助額が30万円以上の場合は、既存住宅であることを証明する書類(建築確認における検査済証の写し・建物の不動産登記事項証明書の写し・固定資産税の納税通知又は証明書の写しなど)も必要になります。
④申請
登録事業者が申請を行います。
書類や性能証明書などを事業局に提出し、補助金の交付申請(または予約)をします。
※交付申請の予約は、2025年11月14日で〆切
2025年11月14日以降は、交付申請のみです。
予算の執行状況により、期限が早まる可能性もあるので早めの手続きをおすすめします。
| <交付申請期間> 令和7年3月下旬~遅くとも令和7年12月31日まで |
⑤補助金の還元
事業局の審査後に、補助金が登録事業者に交付されます。
補助金の還元方法は、「現金で受け取る」または「工事代金等に充当する」があります。
契約時に取り決めておきましょう。
先進的窓リノベをするメリット

先進的窓リノベを実施すれば、快適な住まいにアップデートすることができます。
具体的にみていきましょう。
断熱効果を高めることができる
窓を二重ガラスや複層ガラスに変更すると、家の断熱効果を高めることができます。
家の中が寒い、または暑すぎると感じる場合、家の気密性が低いのかもしれません。
窓リノベをして家の気密性を上げると、家の中に寒さや暑さが入り込みにくくなります。
光熱費を抑えることができる
断熱効果が高まれば、必然的に光熱費を抑えることができます。
暖房を入れなくても暖かい時間が続き、快適に過ごせるでしょう。
光熱費を抑えたい、環境問題を意識している、省エネな暮らしをしたいといった人におすすめです。
結露発生を軽減することができる
窓リノベによって、家の窓を二重窓にしたり、複層ガラスにしたりすることで結露を軽減させることが可能です。
窓の結露に悩まされている人はとても多く、「結露でカーテンが濡れている」「カビが発生して破棄した家具がある」など、深刻な内容もあります。
補助金を利用して、結露が発生しにくい窓に変更するとストレスも軽減されるかもしれません。
まとめ

先進的窓リノベ事業2025は、既存住宅の窓・ドアを省エネ効果の高い断熱性能を持つ製品に改修する費用に対して、国が補助金を出す制度です。
新築には利用できないので注意しましょう。
補助金の交付を受けるには、「住宅省エネ支援事業者」として登録している業者と対象住宅の所有者が契約することが必須とされており、また工事も登録製品を利用しなければなりません。
交付申請や工事、補助金受領は登録事業者が実施します。
まず消費者は、事業登録している施工業者(リフォーム会社や工務店など)から見積もりを取り、工事内容や補助金について相談しましょう。
ただし、先進的窓リノベ事業は3ヶ年計画のため2025年で一区切りすると言われています。
申請期間も迫っているので、検討している人は早めに手続きを進めましょう。




