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リフォーム促進税制とは?対象工事と減税額、申請の流れを徹底解説

リフォーム促進税制とは?対象工事と減税額、申請の流れを徹底解説

リフォームを検討する際、避けて通れないのが費用の悩みではないでしょうか?

そんなときに、力強い味方となるのが「リフォーム促進税制(性能向上改修工事等に係る特例措置)」です。

これは、特定の基準を満たすリフォームを行った場合に、納めた税金が戻ってきたり、翌年の税金が安くなったりするお得な制度です。

2026年度の税制改正により適用期限が延長され、さらに使いやすくなりました。

知っているだけで数十万円単位の差が出るこの制度について、対象となる工事や具体的な減税額、申請のポイントを分かりやすく解説します。

リフォーム促進税制とは?

リフォーム促進税制(性能向上改修工事等に係る特例措置)とは、国が推奨する「質の高い住まいづくり」を後押しするための減税制度です。

耐震性の向上や省エネ化、バリアフリー、子育て対応など、社会的に意義のある改修を行う施主に対して、工事費用の10%(最大60〜80万円等)が所得税から控除される優遇措置が用意されています。

ローン不要で自己資金でも利用可能です。

リフォームで税金が安くなる理由

現在、国では住宅の脱炭素化(省エネ)や空き家の活用、防災対策を強力に推し進めています。

しかし、高性能な断熱材や耐震補強には相応のコストがかかるため、その負担を税金の控除という形で還元し、リフォームを促進しようとしているのです。

つまり、制度を利用することは、国が認める「安心・安全な家」を作った証とも言えます。

所得税の控除と固定資産税の減額

リフォーム促進税制には、大きく分けて2つのメリットがあります。

1つは、自分が納めた所得税から一定額が直接差し引かれる(戻ってくる)「所得税の控除(最大60〜80万円)」

もう1つは、リフォームした住宅にかかる翌年度の税金が安くなる「固定資産税の減額(1/3〜2/3相当)」です。

これらは併用できるケースも多く、組み合わせることで大きな節税効果を発揮します。

ローン利用の有無にかかわらず適用可能で、所得税は確定申告、固定資産税は工事後3ヶ月以内に市区町村へ申告が必要です。

対象となる主なリフォーム工事

リフォーム促進税制は、すべてのリフォームが対象になるわけではありません。

国が指定する特定の目的を持った工事が対象となります。

2026年現在は、以下の5つのカテゴリーが主な対象です。

耐震リフォーム

現行の耐震基準に適合させるための補強(地震への備える)工事が対象です。

壁の補強や基礎の打ち替えなどが含まれます。

地震大国である日本において、最も優先順位の高い改修として手厚い控除が設定されています。

<対象となる工事例>
・壁の補強
・基礎の補強
・接合部の補強
・屋根の軽量化
・腐朽
・シロアリ被害の補修
 …など

省エネリフォーム

窓の二重サッシや、壁・床の断熱材入れ替え、高効率給湯器の設置などの省エネリフォームが対象です。

光熱費の削減だけでなく、税制面でも優遇されるため、非常に人気の高いリフォームです。

必須工事と併せて行うことで対象となる任意工事もあるので、まとめて行うとお得になります。

<必須工事>
全ての居室の窓の断熱改修
(ガラス交換、内窓の設置、外窓の交換、または二重サッシ化など)
<任意工事>
・断熱改修工事
(床、天井、壁の断熱材の入れ替えや補強)
・省エネ設備の設置
(太陽光発電システムの設置、高効率給湯器の設置、高効率空調機の設置、太陽熱利用システムの設置)

バリアフリーリフォーム

通路の拡幅、手すりの設置、段差の解消、浴室・トイレの改良など高齢者の生活に配慮したリフォームが対象です。

50歳以上の人や、要介護・要支援認定を受けている人、障がいをお持ちの人と同居している場合などに適用されます。

<工事内容>
・通路、出入口の拡幅
・階段の勾配緩和
・浴室の改良
・便所の改良
・手すりの設置
・段差の解消
・出入口の戸の改良
・滑りにくい床材への変更

同居対応リフォーム

生活リズムの違いを考慮して、キッチン、浴室、トイレ、玄関のうち、いずれかを増設して二世帯住宅化する工事が対象です。

(生活スペースの分離、設備の増設、バリアフリー化など)

親世代との同居を検討している世帯を支援する内容となっています。

また、増設工事に付帯工事も対象となる場合があるのでそちらも確認しておきましょう。

<対象となる増設工事>
・キッチンの増設 
・浴室の増設
 ・トイレの増設
 ・玄関の増設
<工事に伴う付帯工事>
・配管、電気工事
(給排水、ガス、電気の引き込みや配線)
・内装、下地工事
(増設場所の床・壁・天井の仕上げ)
・外部階段の設置
(2階に玄関を設けるための外階段の設置)
・その他
(インターホン、下駄箱、照明設備の設置など)

リフォーム促進税制を受けるための条件と要件

お得な制度ですが、利用するには一定の条件や要件をクリアする必要があります。

とくに、床面積や年収に関する要件は、2026年の改正で変更があったため注意が必要です。

自己居住の住宅であること

リフォーム促進税制(所得税・固定資産税)の利用には、自己所有・自己居住(工事後6ヶ月以内に入居し年末まで居住)のリフォームが条件です。

別荘や賃貸に出している物件、店舗併用住宅の店舗部分は対象外となります。

また、リフォーム後の床面積が50㎡以上(所得1,000万円以下なら40㎡以上)合計所得2,000万円以下、省エネ・バリアフリー等の対象工事実施、工事費用(補助金控除後)が一定額以上である必要があります。

工事費用の合計金額

住宅リフォーム促進税制(所得税の税額控除)を受けるための主な条件は、自己資金またはローンによる対象リフォーム工事(省エネ、耐震、バリアフリー、三世代同居、長期優良住宅化)の実施です。

「ちょっとした修理」では対象になりません。

原則として、補助金を差し引いた後の自己負担額が、対象工事だけで合計50万円(または60万円以上)を超えていることが一般的な基準となります。

ただし、工事の種類によって要件となる金額が異なるため、必ず見積もりの際に業者へ「税額控除の対象工事になるか」を確認してください。

また、対象工事は令和7年(2025年)12月31日までに完了している必要があります。

工事から6ヶ月以内に入居すること

リフォーム完了後、速やかに居住を開始することが求められます。

空き家のまま放置したり、入居が大幅に遅れたりすると、控除が受けられない可能性があるため、スケジュール管理が重要です。

どれくらい戻ってくる?減税額の計算イメージ

実際にどれくらいのお金が戻ってくるのか、具体的なイメージを見てみましょう。

所得税と固定資産税では仕組みが異なります。

所得税控除:工事費用の一定割合が戻る

自己資金またはリフォームローン(5年〜10年未満)を利用して、特定の省エネや耐震リフォームを行った場合、標準的な工事費用(国が定めた単価)の10%が、その年の所得税から控除されます。

たとえば、最大控除額は工事内容により異なりますが、耐震や省エネリフォームを組み合わせることで、最大60万〜80万円程度が還付される可能性があります。

<事例>
工事内容:150万円の断熱窓リフォーム(省エネ)を実施
工事費用:150万円(補助金なしと仮定) 
計算式:150万円×10%=15万円の所得税控除 
結果:確定申告により、所得税から15万円が戻る(控除される)

【重要】最大控除額(80万円)を達成する内訳と条件

リフォーム促進税制における、所得税の最大控除額は「一律80万円」ではありません。

実際には、工事内容ごとに設定された上限額を合算することで、最大値が決まる仕組みです。  

<各工事の控除上限(単独の場合)>
・耐震リフォーム:最大25万円  
・省エネ、バリアフリー、同居対応、子育て対応: 各最大20万円  
・長期優良住宅化:最大20万円(太陽光発電併用で最大35万円など加算あり)  

たとえば、窓の断熱(省エネ)だけを行う場合は20万円が上限となりますが、「耐震改修(25万)+バリアフリー(20万)+省エネ(35万※加算込)」のように、複数の性能向上リフォームを組み合わせることで、最大合計80万円程度までの控除が受けられるようになります。

自分の予定している工事がどのカテゴリーに該当し、単独でいくら、合算でいくらになるのかを、見積もり段階で業者に試算してもらうことが大切です。

固定資産税減額:翌年の税金が安くなる

リフォーム完了後、3ヶ月以内に市区町村へ申告することで、翌年度分の固定資産税が1/3〜2/3程度(工事内容:耐震・省エネ・バリアフリー等の改修)減額されます。

所得税控除が一度きりの還付なのに対し、こちらは支払う税金そのものが安くなる仕組みです。

2026年3月末までに完了した工事が対象となり、建築士による証明書が必要になります。

補助金との併用は可能?注意点まとめ

リフォーム促進税制と、住宅省エネ2026キャンペーン(先進的窓リノベ、給湯省エネ事業、既存住宅における断熱リフォーム支援事業、長期優良住宅化リフォーム推進事業、みらいエコ住宅2026事業など)国の補助金と併用することは可能です。

ただし、補助金額を差し引いた後の金額が税額控除の計算対象となります。

二重でお得にはなりますが、計算式が複雑になるため、リフォーム会社にシミュレーションを依頼するのが賢明です。

住宅ローン控除と何が違う?自分に合った制度の選び方  

リフォームでお金が戻ってくる制度には、今回紹介した「リフォーム促進税制」のほかに、聞き馴染みの深い「住宅ローン控除」があります。

どちらも所得税が安くなる制度ですが、その仕組みは大きく異なります。  

まず、住宅ローン控除は「10年以上のローン」を組んでいることが大前提であり、年末時点のローン残高に応じて控除額が決まります。

一方、リフォーム促進税制は、ローンを組まない「現金払い」の場合でも利用でき、国が定めた標準的な工事費用の10%が控除されます。  

10年以上の長いローンを組んで大規模なリフォームをするなら住宅ローン控除が有利になることが多いですが、5年前後の短いローンや現金払いで特定の性能向上工事(断熱やバリアフリーなど)を行うなら、リフォーム促進税制の方が手元に戻ってくる金額が多くなるかもしれません。

また、所得税の控除についてはどちらか一方の選択制となりますが、固定資産税の減額については、どちらの所得税控除を選んでも併用が可能です。  

自分のリフォームが性能重視なのか、借入金額重視なのかを整理し、最も還付額が大きくなる組み合わせをプロにシミュレーションしてもらうのが、最も賢い節税対策でしょう。

【比較表】リフォーム促進税制住宅ローン控除(増改築)
ローンの有無不要(現金払いでもOK)10年以上のローンが必須
主な控除対象工事の「性能(省エネ・耐震等)」ローンの「年末残高」
所得税の控除率標準的な工事費用の10%年末ローン残高の0.7%
控除期間1年間(一括控除)最長10年間
最大控除額20万〜最大80万円超※1
(工事による)
最大140万円※2
(14万円×10年)
固定資産税減額併用可能併用可能

※1:単一工事では約20万円が上限ですが、耐震・省エネ・バリアフリーなどを組み合わせることで最大80万円超まで加算されます。

※2:住宅ローン控除の最大控除額は、借入額や居住年により変動します。

申請の流れ:確定申告の時期と注意ポイント

リフォーム促進税制は、待っているだけでは適用されません。

自分で書類を揃え、期限内に申請する必要があります。

必要な書類

リフォーム促進税制の申請に必要な書類はいくつかあります。

とくに重要な増改築等工事証明書は、建築士や指定確認検査機関が発行するものであり、これがないと、どんなに高性能なリフォームをしても減税は受けられません。

その他、必要な書類について以下にまとめたので確認してください。

必要書類ポイント
増改築等工事証明書建築士や指定確認検査機関が発行
確定申告書申告時に提出
住宅特定改修特別税額控除の計算明細書税務署へ提出
登記事項証明書法務局で取得
工事請負契約書の写し準備ができない場合、領収書および工事前後の写真で代用可
源泉徴収票給与所得者の場合に必要
住宅ローン残高証明書受給した場合に必要
補助金等の額が明らかな書類受給した場合に必要

確定申告の時期と注意すべきポイント

所得税の控除を受けるためには、リフォームをした翌年の2月16日〜3月15日の間に確定申告を行う必要があります。

普段会社で年末調整をしている会社員の人も、このときばかりは自身で申告が必要ですので注意してください。

失敗しないための注意点

住宅省エネ2026キャンペーンのような国の補助金制度は、リフォーム会社や専門業者が代理で申請を行ってくれますが、リフォーム促進税制は自分で行わなけれなりません。

また、書類準備も必要になるため申請したものの「失敗した!」と後悔する人も多いのです。

最後に、制度を利用して失敗しないためのポイントをまとめました。

必ず目を通して、申請準備を行ってください。

工事前に業者へ相談が必須な理由

リフォーム促進税制の利用で、最大の落とし穴になりやすいのが、工事が終わってから「減税を受けたい」と申し出ることです。

増改築等工事証明書の発行には、着工前の写真や図面が必要になることがあります。

必ず見積もりの段階で「税制優遇を使いたい」と業者に伝え、対応可能な会社かどうかを見極めましょう。

リフォーム促進税制の申請に詳しかったり、教えてくれたりする実績のある業者に依頼するのが安心です。

対象外になるケース

自分で材料を買ってきて行うDIYリフォームは、原則として対象外です。

また、単なる豪華な設備への交換(贅沢品とみなされるもの)も、性能向上の基準を満たさなければ控除は認められません。

あくまで、性能を上げるための工事が必須であることを忘れないようにしましょう。

耐震性の向上や省エネ化、バリアフリー、子育て対応などが対象です!

賢いリフォーム計画で家計の負担を減らそう!

リフォーム促進税制(性能向上改修工事等に係る特例措置)は、住まいの性能を高めつつ、家計の負担を軽くしてくれる非常に優れた制度です。

2026年以降も延長が決定したことで、じっくりと計画を立てる余裕ができました。

なお、住宅ローン控除を利用するリフォームであっても、控除対象となる工事費が重複しない範囲であれば、リフォーム促進税制(固定資産税の減額措置など)と組み合わせることで、さらなる節税効果を狙えるケースも少なくありません。

耐震性の向上・省エネ化・バリアフリー・子育て対応など、将来を見据えた工事を検討しているなら、この制度を使わない手はないのでは?

まずは信頼できるリフォーム会社に「減税されるかどうか」を確認し、リフォームが必要な箇所や見積もりを出してもらいましょう。

賢く制度を活用して、理想の住まいをお得に手に入れてくださいね!