築20年リフォームの費用相場は?やるべき場所と失敗しない優先順位

マイホームを新築、あるいは購入してから約20年が経過すると、住まいのあちこちに不具合や傷みが目立つようになってきます。
「キッチンの水漏れやコンロの不調が気になる」「お風呂のカビや落ちない汚れ、寒さが限界」「外壁にひび割れや色あせが出てきた」など、築20年という節目は、家全体の設備や外回りが一斉に耐用年数(寿命)を迎える時期です。
しかし、いざリフォームを検討しはじめると、「家全体を直すとトータルでいくらかかるのか」「予算に限りがある中で、どこから手をつければいいのか」と悩んでしまう人は非常に多くいらっしゃいます。
優先順位を間違えて放置してしまうと、目に見えない構造部分(柱や土台)の腐食が進み、将来的に数百万円単位の余計な修繕費が発生する恐れもあります。
この記事では、築20年の住宅で起きているリアルな劣化状況をはじめ、戸建て・マンション別の費用相場、失敗しない優先順位の決め方、さらには工事費を安く抑えるセット施工術や補助金制度までを詳しく解説します。
大切な住まいを安く・賢くメンテナンスし、快適な暮らしを取り戻すための参考にしてください。
目次
築20年の住宅で起きている劣化状況とリフォームの必要性

新築から20年という年月は、建物にとっても大きな変化の節目です。
まずは、なぜ築20年のタイミングでまとまったリフォームが必要になるのか、その理由と住まいの内部で起きている変化を知っておきましょう。
水回り設備が一斉に寿命を迎える時期
キッチン、浴室(お風呂)、トイレ、洗面化粧台といった水回り設備の一般的な耐用年数は、約15年〜20年と言われています。
築20年が経過した水回りでは、以下のような不調や限界が一斉に表面化します。
| キッチン | ・水栓からの微細な水漏れ ・換気扇の吸い込み不良 ・ビルトインコンロや食洗機の故障 |
| 浴室 | ・カビの定着 ・コーキングの途切れ ・排水口の悪臭 ・追焚き機能の不調 ・床や壁の落ちない皮脂汚れや水垢 |
| トイレ | ・タンク内部のパーツ劣化 (水が止まらないトラブルなど) ・温水洗浄便座の電気系故障 ・壁紙や床材のニオイのしみつき |
| 洗面所 | ・洗面ボウルのひび割れ ・シャワーホースからの水漏れ ・収納扉の建具不良 |
これらの設備は、1箇所が壊れると時期を同じくして他の設備も相次いで動かなくなるケースが大半です。
外壁や屋根の塗膜が切れ防水性能が低下する時期
戸建て住宅の場合、とくに注意しなければならないのが外壁や屋根の劣化です。
新築時に塗られた塗装の防水効果(塗膜)は、一般的に10年〜15年で寿命を迎えます。
築20年まで一度も塗装メンテナンスを行っていない場合、日光(紫外線)や雨風の影響で防水性能が完全に切れ、建物自体を守るバリアが失われた状態になっています。
外壁を手で触ると白い粉がつくチョーキング現象や、髪の毛ほどの細いひび割れ(ヘアクラック)、塗膜の剥がれ、目地(シーリング)のひび割れや痩せなどが生じている場合、すでに雨水が壁の内部へ浸入し始めているサインです。
築20年は建て替え不要!部分・一括改修で性能を復活
築20年と聞くと「もう古い家だから、建て替えや全面リノベーションが必要なのでは」と不安になるかもしれません。
しかし、築20年の段階では基礎や柱といった重要な構造体(骨組み)はまだまだ健康であることがほとんどです。
建て替え(新築)を行う必要は一切ありません。
この時期に必要なのは、古くなった設備や内装のピンポイント交換、そして外回りの防水メンテナンス(塗装・補修)です。
適切な改修を一括で行うことで、新築同様の綺麗な見た目と快適な住み心地、そして高い耐震・防水性能を取り戻すことができます。
築20年リフォームの費用相場|戸建てとマンションの比較

築20年のリフォームで最も気になるのが「総額でいくらかかるのか」という費用相場です。一戸建て住宅とマンションでは、必要となる工事や費用感が異なります。
それぞれの目安を見ていきましょう。
【戸建て】全体・場所別の費用相場一覧
戸建て住宅の場合、建物内部の「水回り・内装」に加えて、外部の「外壁・屋根」のメンテナンスが必須となるため、全体の費用相場は300万円〜800万円前後となります。
| 費用相場 | 主な工事内容 | |
| 水回り4点セット | 150万〜300万円 | キッチン浴室トイレ洗面所の本体交換+内装工事 |
| 外壁・屋根塗装 | 100万〜180万円 | 外壁・屋根の洗浄下地補修塗装シーリング打ち替え |
| 給湯器交換 | 15万〜30万円 | エコジョーズやエコキュートへの本体交換 |
| 内装(クロス・床張替え) | 30万〜80万円 | LDKや廊下などの壁紙貼り替えフローリング重ね張り |
外壁塗装や屋根の補修工事が入るため、マンションに比べて全体的な総額費用は高くなる傾向にあります。
【マンション】全体・場所別の費用相場一覧
マンションの場合、外壁や屋根などの共用部分は管理組合が大規模修繕でメンテナンスを行うため、個人が負担するリフォーム費用は「専有部分(室内)」のみとなります。
全体の費用相場は200万円〜500万円前後です。
| 費用相場 | 主な工事内容 | |
| 水回り4点セット | 120万〜250万円 | システムキッチンユニットバストイレ洗面台の交換 |
| 給湯器交換 | 15万〜25万円 | マンション専用給湯器(PS設置型など)の交換 |
| 全室クロス・床張り替え | 50万〜120万円 | 専有部分全体の壁紙貼り替え遮音フローリングの張り替え |
マンションでは管理規約による制限(遮音等級の指定など)があるため、事前確認が必要です。
築20年でフルリフォーム(フルリノベーション)した場合の費用目安
「間取りを大きく変更したい」「室内を骨組み(スケルトン)状態にして1からデザインし直したい」というフルリノベーションを行う場合、費用相場は以下のようになります。
| 戸建てフルリノベーション | 800万〜1,500万円以上 |
| マンションフルリノベーション | 600万〜1,000万円以上 |
築20年であれば骨組み自体がしっかりしているため、新築を購入し直す(建て替える)費用に比べれば、フルリノベーションを行っても費用を半額以下に抑えられます。
築20年のリフォームどこから直す?失敗しないための優先順位

築20年のタイミングで「家中の気になる場所をすべて最新設備にしたい」と思っても、予算には限界があります。
限られた予算の中で失敗しないためには、明確な優先順位に沿って工事を進めることが不可欠です。
【優先度高】放置すると建物が傷む外壁・屋根・雨漏り対策
最優先で予算を割り当てるべきなのは、放置すると家自体の寿命(構造)を縮めてしまう場所です。
戸建て住宅における外壁や屋根、バルコニーの防水工事がこれに該当します。
室内の見た目や水回りの使い勝手は、多少古くても生活に直接支障が出ないこともあります。
しかし、外壁のひび割れや防水切れを「まだ大丈夫だろう」と放置してしまうと、壁の隙間から雨水が建物内部に浸入し、柱や土台を腐らせたり、シロアリを呼び寄せたりします。
一度木部が腐食すると、柱の補修や補強工事で追加で数百万円の莫大な費用がかかるため、見た目の不満よりも構造を守る外回りの改修を最優先にしましょう。
【優先度中】日々の暮らしに直結する水回り4点セット
次に優先すべきなのが、毎日使う水回り設備(キッチン・お風呂・トイレ・洗面所)です。
水回り設備は、単に見た目が新しくなるだけでなく、20年前の設備と比べて節水・節電性能が飛躍的に進化しています。
最新のユニットバスに交換すれば保温性が高くなり冬場も温かく掃除が格段に楽になります。
また、最新トイレに替えることで水道代が年間で数万円節約できるケースも少なくありません。
生活のストレスを大幅に減らし、光熱費の削減にも直結するため、外回りの防水が確保できたら真っ先に着手すべき場所です。
【優先度低】予算に合わせて調整可能な内装クロスや床の張り替え
優先度が最も低いのは、リビングや居室の壁紙(クロス)貼り替えやフローリングの張り替えです。
内装の汚れや傷は生活のモチベーションには関わりますが、建物自体の耐久性を損なうリスクは高くありません。
もし予算がオーバーしそうな場合は、水回りのリフォームと同時に行う洗面所・トイレの壁紙だけ貼り替え、リビングや廊下の壁紙貼り替えは数年後に回すといった柔軟な調整が可能です。
築20年のリフォーム費用を安く抑える4つのコツ

築20年のリフォームは工事範囲が多岐にわたるため、総額が高くなりがちです。
しかし、頼み方を工夫することで、工事代金を数十万円単位で節約することができます。
1. 足場代を浮かせる外壁と屋根の同時施工
戸建て住宅で外壁塗装や屋根の補修を行う際、必ず必要になるのが作業用の足場設置費用です。
一般的な戸建ての足場費用は、1回あたり15万〜20万円前後かかります。
ここで重要なのが、外壁塗装と屋根工事を必ず同時に行うことです。
外壁と屋根を別々の時期に工事してしまうと、その都度足場を組む必要があり、足場代だけで合計30万〜40万円の無駄な出費が発生してしまいます。
一度の足場設置で外壁と屋根の両方を一気にメンテナンスすることが、戸建てリフォーム最大の費用削減テクニックです。
2. 商品代・工事費が割引になる水回り4点セットプランの活用
キッチン・お風呂・トイレ・洗面台を個別にバラバラの時期に施工会社へ依頼すると、その都度職人(水道屋・電気屋・大工)の人件費や運搬費が発生し、高額になってしまいます。
多くのリフォーム会社や工務店では、「水回り4点パック」「水回りまとめ工事割引」といったお得なセットプランを用意しています。
4箇所をまとめて一括発注することで、メーカーからの設備仕入れ値が大幅に安くなる上、職人の施工効率が上がって人件費(人工代)を削減できるため、単品で買い揃えるよりも20万〜50万円近く安く抑えられるケースが一般的です。
3. 複数の優良施工会社から相見積もりを取って比較する
リフォーム費用には決まった定価が存在しないため、全く同じ工事内容であっても依頼する会社によって提示される見積もり金額が数十万円〜100万円以上異なることが珍しくありません。
最初から1社だけに絞り込んで契約するのではなく、必ず2〜3社の優良施工会社から相見積もりを取ることが鉄則です。
複数社の見積書を比較することで、費用の適正相場が把握できるだけでなく、他社の金額をベースにした価格交渉もしやすくなります。
4.リフォーム減税やローンの金利優遇を活用する
築20年のリフォームはまとまった資金が必要となるため、自己資金だけでなくリフォームローンの活用も視野に入れましょう。
無担保で借りられるリフォームローンや、住宅ローン残高がある場合の借り換え一本化など、選択肢はさまざまです。
また、一定の省エネ・耐震改修を行うことで、リフォーム減税(所得税の控除や固定資産税の減額)が受けられる場合もあります。
事前に資金計画も含めて施工会社へ相談しておくことが成功の鍵です。
【2026年最新】築20年リフォームで活用できる補助金制度

2026年、国の住宅省エネ化政策により、築20年前後の住宅リフォームに対して手厚い補助金が出されています。賢く活用して実質負担を減らしましょう。
みらいエコ住宅2026事業
住宅の省エネ化やバリアフリー化を幅広くサポートする国土交通省の代表的な補助金制度です。
築20年のリフォームで対象となりやすい高断熱浴槽への交換や、節水型トイレへの交換、節湯水栓の導入といった水回り設備の刷新をはじめ、窓やドアの断熱改修、手すりの設置など、幅広い工事が補助対象となっています。
条件を満たすことで数十万円規模の補助金が支給されるため、築20年の設備一斉交換のタイミングで必ず活用したい制度です。
詳しくはこちら>>>
みらいエコ住宅2026事業とは|補助金や対象リフォーム、申請方法を解説
先進的窓リノベ2026事業
開口部(窓やドア)の断熱性能向上に特化した環境省の補助金制度で、1戸あたり最大200万円という非常に高い補助枠が大きな魅力です。
築20年が経過した住宅では、窓の断熱性能が低く「冬場に足元から底冷えがする」「結露やカビがひどい」といったお悩みを抱えるケースが少なくありません。
既存の窓の内側に新しい窓を取り付ける内窓(二重サッシ)設置や、高断熱サッシへの交換を行うことで、工事費用の相当額が還元されます。
水回りや外壁の工事と合わせて窓の断熱リフォームを行うことで、光熱費の大幅な削減と快適な室内環境を同時に実現できます。
詳しくはこちら>>>
【2026】先進的窓リノベ事業の条件は?断熱支援との併用で損しない手順
失敗しない築20年リフォームにおける業者選びの注意点

大きな金額が動く築20年のリフォームでは、施工会社選びで失敗すると「手抜き工事をされた」「追加料金をしつこく請求された」といったトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
不安を煽って契約を迫る訪問販売業者を避ける
築20年を過ぎた戸建て住宅には、外壁のひび割れや屋根の劣化を目ざとく見つけ、「今すぐ塗装しないと家が崩れますよ」「近くで工事をしているので今なら足場代を無料にします」などと突然訪ねてくる悪質な訪問販売業者が急増します。
こうした業者は、相場よりもはるかに高額な契約を結ばせたり、不必要な工事を追加したりするトラブルが後を絶ちません。
どれだけ親切そうに見えても、突然やってきた飛び込み営業の業者とその場で契約を結ぶことは絶対に避けましょう。
工事箇所ごとの詳細な見積書を提示する会社を選ぶ
提出された見積書を確認する際は、「工事一式〇〇万円」という大雑把な表記になっていないかを厳しくチェックしてください。
優良なリフォーム会社であれば、「外壁塗装:〇〇㎡(塗料メーカー名・型番明記)」「システムキッチン:〇〇(メーカー名・仕様明記)」のように、数量や仕様、単価が細かく明記されています。
詳細な見積書を出してくれる会社ほど、工事後の追加費用の発生トラブルが少なく、誠実な工事を行ってくれます。
まとめ

築20年という節目は、マイホームの水回り設備や外壁塗装が一斉に耐用年数を迎える重要なメンテナンス時期です。
全体の費用相場は、戸建てで300万〜800万円前後、マンションで200万〜500万円前後となりますが、建て替えや買い替えを行う費用に比べれば、はるかに少ない予算で新築同様の綺麗な住まいと性能を取り戻すことができます。
予算に制限がある場合は、建物を守る外壁・屋根の防水を最優先にし、次に水回り4点を着手するという優先順位を守りましょう。
また、外壁と屋根の同時施工や、水回り4点パックプランの活用を意識し、2026年の省エネ補助金(みらいエコ住宅など)を組み合わせることで、費用を大幅に安く抑えることが可能です。
まずは信頼できる複数の専門業者から相見積もりを取り、我が家の現状に合った最適なリフォームプランの提案を受けることから、メンテナンスへの第一歩を踏み出してください。




