リフォームの流れとは?基本の進め方や工事費用の相場、注意点を解説

リフォームしたいけど「何から始めればいい?」「どこのリフォーム会社に頼むといい?」と、進め方やリフォーム会社の決め方などわからないことは多いです。
リフォームは、決して安いものではないため、後悔はしたくないもの!
そこで今回の記事では、リフォームの基本の進め方や工事費用(戸建て・マンション)の相場、その中でリフォーム会社(工事依頼先)を決めるポイントについて解説します。
目次
【基本】リフォームの進め方

まずは、基本となるリフォームの進め方を順に解説します。
家族との話し合いや情報収集、リフォーム会社の精査など、契約まで時間がかかる作業もあるため、焦らず十分な余裕を持って検討しましょう。
流れ1:予算や目的を話し合う
一戸建てやマンションを購入するときと同じく、リフォームにおいても無理のない予算を決めることが大切です。
家族で話し合うことが一番ですが、予算の目安を立てにくい場合は、以下の方法から算出してみては?
まず、現在の生活から老後までのライフプランを立てます。
次に、今ある資金を確認し、そこから老後資金や大きな出費、およその生活費を差し引いて残った資金をリフォームに当てるのです。
また、リフォームローンも検討しているのなら、どのくらい借入ができるか、無理なく返済できる金額はどのくらいか、も確認しましょう。
予算が決まったら、何のためにリフォームしたいのかも話し合いましょう。
解消したい悩みや課題、希望する生活、叶えたい目的などを明確にするとわかりやすいです。
国や自治体の支援制度も充実しているので、以下の記事も参考にしてくださいね。
【2025年】住宅リフォーム支援制度一覧!申請方法・補助金額・注意点を解説
流れ2:トレンドや設備などの情報収集
希望のリフォーム内容に合わせた、情報収集をしましょう。
工務店やリフォーム会社など、気になるところには資料請求することをおすすめします。
リフォーム会社によって強みが違うため、ご家族の希望と合うところを見極めるためです。
リフォーム事例や機器の説明など、具体例を見たり、ショールームに足を運んだりするのもいいでしょう。
イメージを固めておくと、相談時にしっかり要望を伝えられます。
また、トレンドについても情報を集めておくとリフォーム後に後悔しにくくなります。
キッチン・トイレを快適な空間にするために、キッチンにデスクスペースを併設したり、トイレに本棚を設けたりするリフォームが多いです。
他にも、リモートワークが増えたことがきっかけで、オンラインスペースの増設やオシャレなクロスに張り替えなどのニーズも高まっています。
一方、予算のこともあるので、要望を書き出して優先順位を付けておくと判断しやすくなるでしょう。
流れ3:依頼先候補をピックアップする
リフォームの依頼先は、工務店・ハウスメーカー・リフォーム会社の3つが挙げられます。
それぞれの特徴を踏まえて、依頼先候補をピックアップしましょう。
工務店
工務店は、地域密着型を売りにしていることが多いです。
近隣だからこそできる、対応の速さと、困ったときの迅速なアフターフォローに期待できます。
また、小さなリフォーム工事から対応してくれるところが多いので、相談しやすいです。
ただし、手掛けている工事範囲や提案力は工務店によります。
ハウスメーカー
ハウスメーカーは、自社のスタッフや職人が設計から施工まで行うため、モデルハウスやショールームがあり、実際に見ることができるのが特徴です。
また、自社でアフターメンテナンスの体制を整えていることが多く、施工後の定期点検や修理など、長期保証が魅力的で安心感があります。
ただし、他と比べて費用が高くなったり、細かなこだわりが通らなかったりする可能性も少なくありません。
リフォーム会社
リフォーム会社は、設備交換からマンション修繕、内装・水回りリフォームなど幅広く対応しています。
また、特定の分野に特化している会社もあり、水回り専門リフォーム会社や内装専門リフォーム会社、外壁塗装専門といった、より専門的な知識や技術を持っていることが特徴です。
リフォーム会社は、高品質なリフォームを期待できるだけでなく、費用面でもメリットがある場合があります。
流れ4:現場調査・見積もりを依頼する
依頼先の候補が決まれば、現場調査を行ってもらいましょう。
現場調査とは、リフォーム会社の担当スタッフがご自宅に訪問し、リフォームを検討している箇所を実際に確認、寸法を測ったり、構造を確認したりして、お客様の要望や生活スタイルをヒアリングすることです。
「シロアリはいないか」「耐震性に問題はないか」などの家の状態を調べます。
現場調査の情報を元に、正確な見積もりやリフォームプランを作成します。
生活スタイルに合わせて、リフォーム提案をしてもらうことも大切なため、普段通りの暮らしを見てもらうのがおすすめです。
現地調査の際に必要な書類 ・建物の図面 ・仕様書 ・立面図 ・リフォーム計画書 ・概算見積もり ※以前に概算見積もりを依頼している場合に限る…など |
流れ5:工事の依頼先を決める
現地調査・見積もりを確認後、リフォーム工事の依頼先を決めます。
現地調査後およそ2週間程度で見積もりやプランが届くため、比較検討しましょう。
見積もりに記載されている設備や建材がどんなものか、Webサイトやカタログ、実際にショールームに足を運んで確認してみてください。
また、依頼先を見極めるのは、とても重要なため8つのポイントを参考にしましょう。
後悔がないように、慎重に依頼先を選んでくださいね。
依頼先を見極めるポイント ①希望のリフォームとリフォーム会社が手掛ける内容と合ってるか? ②そのリフォームに対して実績はあるか? ③リフォーム会社は、建設業許可等を得ているか? ④リフォーム会社は、事業者団体等に加盟しているか? ⑤有資格者は在籍しているか? ⑥見積もりや工事内容が希望と合っているか? ⑦アフターフォローは充実しているのか? ⑧リフォーム会社、担当者を信頼できるか? |
流れ6:契約を締結する
工事の依頼先が決まれば、契約を締結します。
工事内容をしっかり確認し、不明点は納得できるまで説明を求めてから契約しましょう。
契約後に変更を依頼すると、工事費アップや工期延長になる可能性が高くなります。
また、契約時に工事費の3割を現金で支払うケースがあるので、依頼の際に確認し、準備しておきましょう。
契約の際に必要な書類 ・工事請負契約書 ・工事請負契約約款 ・見積書 ・設計図 ・仕上げ表 …など |
流れ7:工事スタート
工事が決まれば、工事中に自宅で生活できるのか、仮住まいが必要なのか確認しましょう。
リフォームに合わせて家具の移動が必要な場合、移動場所の確保や片付けを早めに行うことも大切です。
また、工事中はホコリや騒音などで近隣住宅に迷惑をかけることもあるかもしれないので、工事前にご挨拶にいきましょう。
どのような工事をするのか、いつ頃に終わる予定なのか、簡単に説明しておくとご近所様も安心です。
工事がはじまったら契約通り(図面・仕様書通り)に進んでいるか、随時確認しましょう。
工事中に確認したいタイミング | |
①着工前 | どこまで壊してどこまで残すかを確認。 早い段階で顔合わせしておくと、今後のお付き合いがスムーズ。 |
②解体前・後 | 構造の傷み具合や施工箇所の実際の範囲・寸法などを図面と照合。 |
③配線や配管の設置前・後 | 家のどの位置におさめられたのかを把握しておけば、補修が必要になった際に手配がスムーズ。 |
④壁や床の下地処理後 | 図面の指示通りに施工されているか確認。 仕上げ前のため、コンセントやスイッチの位置の修正も可能。 |
⑤完了検査 | 完了検査は引き渡しの前に設定し、気になるところを指摘すれば、補修が可能。 |
工事内容の変更や追加は、トラブルのもとになりやすいです。
そのため、面倒でも書面を取り交わし、万が一に備えることをおすすめします。
また工事現場に足を運ぶタイミングがズレてしまうと、補修できなくなる場合もあるため、できるだけマメに行くようにしましょう。
職人さんと顔を合わせ、良好なコミュニケーションを図るのもポイントです!
流れ8:完成・引き渡し
工事が完了したら、いよいよ引き渡しです。
引き渡しの際は、担当者と仕上がり状態や設備機器の動作などの最終確認をしましょう。
とくに、新しい機器は早い段階で一通り使ってみて、不具合があればすぐに連絡を入れましょう。
問題なければ完成・引き渡しとなり、工事後の手続き・アフターメンテナンスの確認を行い、工事費の残金を支払います。
契約書・図面・保証書は、保管しておいてくださいね。
マンションリフォームの進め方は違う?

マンションリフォームと戸建てリフォームの進め方に大きな違いはありません。
しかし、集合住宅という点により契約前・契約会社が確定後に確認が必要になります。
基本のリフォーム進め方と併せて、以下の2点に注意しましょう。
契約前にマンションの管理規約を確認
リフォームの予算や目的が決まれば、マンションの管理規約を確認しましょう。
基本的にマンションは、管理組合に加入しており、さまざまな規約が定められています。
その管理規約を守らずにリフォームをしてしまうと、工事が開始していても中断したり、原状回復を求められたりと、大きなトラブルになることがあります。
一般的に、共用部分(部屋の外の廊下や階段、バルコニーなど)の工事はNGです。
専有部分(住戸の内部空間)のみリフォーム可能です。
一方で、管理組合によっては、独自の規約を設けており専有部分であってもリフォーム不可な場合があります。
リフォーム会社と契約する前に、必ず管理規約を確認しましょう。
契約後に管理組合に工事を申請する
工事契約を締結したら、管理組合に工事申請をします。
申請をしてから承認を得られるまで、1ヶ月かかる場合もあるため、着工まで余裕を持って申請しましょう。
申請書類や書式については、マンションの管理組合によって異なるため、管理規約を確認してください。
一般的に、専有部分修繕等工事申請書や、設計図・仕様書・工程表などを提出します。
また、隣近所へのご挨拶も忘れないようにしましょう。
管理規約や工事内容によっては、隣接住戸の同意も必要になります。
リフォーム工事費の相場

最後に、リフォーム工事にかかる費用相場を一戸建て・マンションに分けて紹介します。
工事の内容や規模、使用する素材によって費用は大きく異なりますが、リフォーム予算や目的を話し合う際の参考にしてくださいね。
一戸建ての工事費相場
一戸建てリフォームの工事費用は、一般的に50万円〜数千万円かかると言われています。
フルリフォームで、500万円〜2000万円が相場となるでしょう。
あくまで目安にはなりますが、部分箇所の費用相場を以下にまとめました。
リフォーム箇所 | 費用の目安 |
トイレ | 20万円〜100万円 |
キッチン | 20万円~400万円 |
浴室 | 50万円〜150万円 |
洗面所 | 10万円〜100万円 |
フローリング張り替え | 15万円〜60万円 |
クロス張り替え | 10万円〜30万円 |
バリアフリー対策 | 5万円〜10万円 |
外壁・屋根 | 5万円〜150万円 |
耐震補強(地震対策) | 100万円〜200万円(金物・基礎によって費用相場が設定) |
断熱対策 | 15万円〜300万円(天井・壁・床・窓などの部位ごとに費用相場が設定) |
省エネ対策 | 10万円〜600万円(対策の種類や規模によって費用相場が設定) |
交換か改装か、リフォーム箇所、種類によって、金額は倍以上変わるため必ず見積もりにて確認するようにしてください。
マンションの工事費相場
マンションリフォームの工事費用は、リフォーム内容や物件の広さ、築年数によって大きく異なります。
フルリフォームの場合、600万円〜1500万円程度が相場と言われており、部分的になると10万円〜、500万円でリフォームする場合、水回りリフォームやレイアウト変更、LDKの小規模変更などがあげられます。
マンションと一戸建ての費用相場に大きな違いはありませんが、マンションならではの注意点があるので、管理規約にて確認しましょう。
リフォーム箇所 | 注意点 |
トイレ | 排水方式によってリフォーム内容が制限されることがある。 |
キッチン | 構造上の制約があるため、レイアウト変更や移動に制限がある。 |
浴室 | 管理制約や追加工事が発生した場合、費用が高くなる。 |
洗面所 | 上下階への影響を考慮する必要があるため、工事内容が制限される。 |
フローリング張り替え | 管理規約・遮音規定により床材が高い、またはリフォーム方法が制限されている場合がある。 |
クロス張り替え | 一戸建てよりもクロス範囲が狭いこと、した時補正が不要なことによりコストが抑えられる。 |
バリアフリー対策 | 制約や工事の難易度、管理組合との調整が必要。搬入・設置に制限があることが多い。 |
断熱対策 | 断熱材の追加や内窓の設置などで対応することが多い。 |
一般的に、マンションリフォームは制約があるため、自由度は低くなりやすいです。
そのためコストが抑えられる場合もありますが、リフォーム可能の設備や搬入経路の確保などにより、一戸建てよりも費用が高くなるケースもあるため事前に確認しましょう。
耐震補強・省エネ対策は、主に管理組合が対応するため、個人で依頼することは少ないです。
また、断熱対策も室内のものに限り、外壁・屋根は共用部分になるため、こちらも管理組合にて対応してもらいましょう。
まとめ

一般的にリフォームの流れは、①〜⑧の工程となります。
①予算や目的を話し合う ②情報収集 ③依頼先をピックアップ ④現場調査・見積もり ⑤依頼先を確定 ⑥契約 ⑦工事開始 ⑧完成・引き渡し |
一戸建てもマンションも進め方に大きな違いはありませんが、マンションの場合は管理組合に加入しているため管理規約を確認し、工事前(契約前)に申請する必要があります。
あくまで目安にはなりますが、リフォームの費用を参考に工事の範囲を決めるのもいいでしょう。
ただし、設備や建材、現状や築年数などによって費用が変わるので、必ず現場調査と見積もりを行うようにしてください。
比較検討できるように、希望のリフォーム内容を強みとしているリフォーム会社やハウスメーカー、工務店に問い合わせるのがおすすめです!
費用やアフターフォロー、担当者との相性などから依頼先を決めます。
国や自治体からリフォームを対象にした、支援制度がたくさん準備されているのでそちらも合わせて確認し、お得に後悔がないリフォームを実施してくださいね。